マイアミ・インターナショナル・オートドロームを舞台に開催されたF1第6戦マイアミGP。現地5月5日(日)に行なわれた決勝レースでは、マクラーレンのランド・ノリスがF1初優勝を手にした。RBの角田裕毅は7位だった。
マイアミGPは初日から天候に恵まれ、決勝日も晴れ。サーキット上空には積乱雲も見受けられたが、レーススタート前には気温29度、路面温度45度と依然暑いコンディションだった。
■マクラーレン代表、ノリスは”F1王者の器”と高評価「偉大なドライバーに肩を並べる素材は揃っている」
スタートタイヤとしてほとんどのドライバーがミディアムタイヤを選択。トップ10では唯一8番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)がハードタイヤを履いた。
現地は4時を迎えフォーメーションラップを開始。20台がグリッドに並び、57周の決勝レースがスタートした。
スタートで一気に抜け出したのはレッドブルのマックス・フェルスタッペン。チームメイトのセルジオ・ペレスはターン1でオーバーシュートを喫し5番手にポジションを下げた。
これでトップ6はフェルスタッペン、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)、ノリスという並び。ルクレールはスタート加速で出遅れたものの、サインツJr.がペレスのあおりを食って減速したことで2番手を守った。
ただピアストリの勢いが良く、早々にルクレールを交わして2番手に浮上。ルクレールはサインツJr.にも迫られたが、ここで踏ん張りピアストリを抜き返さんとDRS圏内で追いかけた。
上位勢では5番手ペレスが最初にピットイン。6番手で接近していたノリスは反応することなくステイアウトを選び、前を行くサインツJr.とのギャップを削りにかかった。
首位を走るフェルスタッペンがターン15のボラードを弾いたことで、23周目には回収のためバーチャル・セーフティカー(VSC)が提示された。すぐさまVSCは解除されたが、この間にピットへ入りロスタイムを少なく抑えたドライバーもいた。
フェルスタッペンはVSC終了後の23周目終わりにピットイン。ミディアムタイヤからハードタイヤに履き替えた。
フェルスタッペンに代わって首位に立ったピアストリ、2番手サインツJr.は27周目にピットイン。こちらもハードタイヤに履き替えた。
すると28周目にケビン・マグヌッセン(ハース)とローガン・サージェント(ウイリアムズ)の接触がターン3で発生しイエローフラッグが掲出。サージェントはマシンを再始動できずセーフティカー(SC)出動となった。その後、接触の原因を作ったとしてマグヌッセンには10秒のタイムペナルティが科された。
ノリスや角田をはじめ、ここまでステイアウトを選択していたドライバーはSC出動中にピットイン。ノリス、フェルスタッペン、ルクレール、ピアストリ、サインツJr.、ペレス、角田、ハミルトン、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、エステバン・オコン(アルピーヌ)というトップ10のオーダーとなった。
SCの後ろに隊列が整い、レースは33周目から再開。首位ノリスを先頭に各車がレーシングスピードへと戻っていった。
レース再開直後はフェルスタッペンがターン1でノリスに迫るも、ここはノリスが抑えて首位をキープ。ファステストラップを連発するペースで、フェルスタッペン以下を突き放していった。
その後ろではピアストリとサインツJr.による4番手争いが白熱。レース再開直後はピアストリがポジションを守ったが、39周目のターン17でサインツJr.がインを差して接触。ピアストリはフロントウイングにダメージを負い、泣く泣くピットでのウイング交換を余儀なくされた。
4番手に浮上したサインツJr.は「マシンが何かおかしい」と訴えたが、チーム側は問題なしと判断。サインツJr.もペースを戻した。
先頭のノリスはレース最終盤までハイペースをキープし、フェルスタッペンに対して7秒以上のマージンを築いてファイナルラップへ突入。そのまま1周を走りきり、F1で初めてトップチェッカーを受けた。
2019年にマクラーレンでF1デビューを果たしてから6年目、110戦目にしてF1初優勝を挙げた。マクラーレンとしては2021年イタリアGP以来の勝利。現行レギュレーション下では初の優勝だ。
フェルスタッペンが2位、ルクレールが3位表彰台を掴んだ。サインツJr.は4番手フィニッシュとなったが、ピアストリとの接触によってレース後の審議対象となっている。
5位はペレス。セーフティカー出動中に2回目のピットストップを行ない、レース終盤はハミルトンに攻め立てられる形となったが、レッドブルの直線スピードを武器にハミルトンの猛攻を交わし続けた。
6位ハミルトン以下は、角田、ラッセル、アロンソ、オコンというトップ10のオーダー。10番手スタートの角田には絶好のタイミングでのSC出動という幸運はあったものの、メルセデスを相手に堂々たるレース運びを見せた。角田はこれで獲得ポイントを14にまで積み重ね、ドライバーズランキングでも10番手に浮上した。
なお、オコンの10位によりアルピーヌが今季初入賞を果たした。
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